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活動紹介
【報告】1/19(日)開催「子どもたちに伝われ!被爆体験記を子ども向けにリライトしよう」
2025.01.24

【1/19(日)】「子どもたちに伝われ!子ども向けに被爆体験記をリライトしよう」を20代~80代まで9名の参加で開催しました。花垣さんの体験をどんなふうに子どもたちに伝えるかを話し合いました。参加のみなさんお疲れさまでした。そして、ありがとうございました。

 3/30(日)に小学生と保護者を対象にした親子向けのイベント「親子で考える平和~ルミちゃんの見たヒロシマ~」(仮題)を企画しています。このイベントの準備の中で、花垣さんの体験記のリライトを完成させていきたいと思います。


《5歳の女の子の見たヒロシマ》
 間もなく近所から火の手が上がりました。火事がどんどん広がって、おばあちゃんの住んでいた家にも火が迫ってきて、山の方へ避難をすることになりました。

 避難する途中、倒れてしまっている人がいっぱいいました。人だけではなくて地面から飛び出してきた虫たちもいっぱい死んでいます。ダンゴムシもミミズも死んでいました。大きな桜の木にとまっている蝉が、茶色くなって、とまったまま死んでいました。犬や牛がひっくりかえって、足をまっ直ぐ上に伸ばして、バンザイの格好で死んでいます。それまで死んでいる動物を見たことがなくて、死んでいることがわかりませんでした。「どうして寝ているんだろう?」と思っていたら、母が「あれは死んでいるのよ」と教えてくれました。

《戦後、横浜でのアメリカ兵の子どもたちとの交流》
 戦争が終わって2年後、おばあちゃんは横浜に戻って、小学校に入学しました。横浜にはアメリカ兵の子どもたちがたくさんいました。言葉もお互いにわからないけれど、身振り手振りで会話をして、一緒におままごとで遊んだりしました。一緒に遊んでいるお友だちの中に黒人の男の子がいました。

 4歳の弟が黒人の子のことを「髪の毛がチリチリで、お顔を洗ってない子がいた」とお母さんに話すと、お母さんは弟を正座させて「その子の耳は頭のてっぺんについてた?鼻は喉のところにあった?耳も鼻も自分と同じとことについていたでしょう。みんな同じ人間なのよ」って。人と自分を比べて、あの人はヘン!と思う。差別するのではなく、みんな同じ人間。85歳になった今も、あのときのお母さんの言葉は覚えています。

 この2つのエピソードを中心にリライトをすすめる方向です。特に終戦直後の進駐軍の子どもとの交流、この2年前まで「鬼畜米兵」の子どもたちだったわけで、その子どもたちと仲よく遊んだエピソードに希望を感じます。

 「一緒に考える!これからの継承のカタチ」シリーズで、伝える方法だけではなく、何を伝えるかを、ひとりひとりの被爆者の体験に寄り添って、一緒に考えていきます。【文責:島村雅人】

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