シリーズ2「被爆者問題をみつめる」
2016.03.19
日 時:2016年3月19日(土)13:30~16:30
場 所:プラザエフ 5階会議室
問題提起者:山手 茂氏(茨城大学名誉教授、新潟医療福祉大学名誉教授、保健医療社会学)
参加者:35人(うち被爆者16人、若い研究者も多数参加)
【概 要】
問題提起者の山手さんは1954年に広島女子短大に赴任、原水爆禁止運動や被爆者運動のごく初期から、社会学者として広島における被爆者調査・研究に参画してこられました。
自らの戦争やヒロシマとの関わりに始まり当時書かれた多くの論文を紹介されながらのお話では、実態調査にもとづく小さなパンフレットが国会請願や制度の改正に役立ったこと、原水禁運動が分裂する困難のなかでみんなが一致できる目標として『原爆被害の特質と「被爆者援護法」の要求』(通称「つるパンフ」)が作成されたこと、そのパンフが医療面だけでなく生活全般に及ぶ複合的な原爆被害の特質と「原爆症と貧困の悪循環」を解明し、特別措置法の制定を促したこと、などが明らかにされました。
山手先生の、「戦争体験全体のなかで原爆被害を考える―被爆体験と戦争体験の交流を」と、「被爆者問題はどこまで理解されているか―『知っている』ことと『理解している』こととは全く別」という課題提起は、参加者から今こそ重要な指摘として受け止められました。
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